ABSTRACT 2386(P12-14)
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卵巣癌由来CDDP耐性株におけるtaxolおよびSN-38のCDDPとの併用効果に関する検討:小室優貴,宇田川康博,神津亜希子,大家真治,進伸幸,青木大輔,野澤志朗(慶大・医・産婦)

The combination effects of taxol and SN-38 with CDDP in CDDP resistant ovarian cell lines:Yuuki KOMURO,Yasuhiro UDAGAWA,Akiko KOHZU, Shinji OHIE, Nobuyuki SUSUMU,Daisuke AOKI,Shiro NOZAWA(Dept.Obst. and Gynec.,Sch.Med. Keio Univ.)

目的:paclitaxel( taxol )、CPT-11は、臨床上CDDP抵抗性卵巣癌に対してCDDP(P)との併用投与により高い奏効率を示すとされているが、併用効果の基礎的解明は十分になされていない。そこで卵巣癌由来P自然耐性株RTSG、同獲得耐性株KFra及びその親株KFを用いて、Pと両薬剤の併用効果をIsobologram法にて判定し、次いでその機序として細胞内Pt濃度に着目し、両剤の接触が細胞内へのP取り込みに及ぼす影響につき検討した。方法:1 ;各細胞を1×EXP3cells / well蒔き、翌日P+taxol(T) ,P+SN-38 (CPT-11の活性体)を投与し、薬剤投与7日目にクリスタルバイオレット法にて50%増殖阻害濃度を求め、Isobologram法にて併用効果を判定した。2;P+T療法は、T前投与がより効果的といわれることから、各細胞を5日間培養し、全ての細胞に増殖阻害をおこさない程度の濃度のT、SN-38に3日間接触後、P(10μg/ml)を添加し4時間後の細胞内Pt濃度を原子吸光法で測定した。結果:1; PとTの組み合わせはRTSGで相加、KF、KFraで相乗、一方 SN-38はいずれの細胞でも相乗であった。2;KFraでは細胞内Pt量は、KFに比べ約1/4に減少していたが、T、SN-38処理により取り込み量は増加した。この傾向はKF、RTSGでも同様であった。結果:RTSGおよびKF、KFraにおいてT、SN-38とPは相加〜相乗効果を示し、効果増強機序の一つとして、細胞内P取り込みが両薬剤により増加している可能性が示唆された。