ABSTRACT 2398(P12-16)
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進行乳癌に対するPBSCT併用大量動注化学療法:大村東生1 岡崎稔1 岡崎亮1 鈴木やすよ1 岡本譲二1 渡部芳樹1 八木橋厚仁1 平田公一1 成松英明2 札幌医科大学第一外科1、同病院病理部2

Neoadjuvant intra-arterial infusion chemotherapy for advanced breast cancer T.Ohmura1, M.Okazaki1, A.Okazaki1, Y.Suzuki1, J.Okamoto1, Y.Watanabe1, A.Yagihashi1, K.Hirata1, E.Narimatsu2. (1st Dept.of Surgery1, Dept of Clinical Pathology2, Sapporo Med.Univ.)

目的 )1979年より当科では術前動注療法を施行しているが末梢血幹細胞移植(PBSCT)導入により抗癌剤の大量投与が可能となり進行乳癌に対する新しい方略として期待される。本法の臨床効果並びに組織学的効果を検討した。
方法)1977年1月より1997年5月まで163例(Stage IIIa39例、Stage IIIb75例、Stage IV49例)の進行乳癌に対して鎖骨下動脈と内胸動脈の2ルートを用いて術前動注療法を施行した。5-Fu、ADM、 MMC 、EPIRを単独または組合わせて使用した。また、1991年よりMedroxyprogestrone acetate(MPA)を併用している。1995年6月よりPBSCTを導入し進行乳癌12例に対してEPIR(300-480mg)の大量動注療法を施行した。
成績・考按)臨床効果CR例の生存率はPR例およびNC例のそれに比し有意に良好であったがPR例とNC例に差は認められなかった。また、組織学的効果から検討すると主病巣並びにリンパ節転移巣がGrade2以上の有効例では無効例に比し有意に良好な生存率を示した。1991年からのMPAの併用はさらに組織学的有効率を高めた。1995年6月から大量動注療法を12例に施行し、その臨床効果は91.7%、組織学的有効率は主病巣において91.7%、リンパ節転移巣において75%と良好な結果が得られた。
結論)MPA、PBSCT併用大量動注療法によって、高い組織学的有効率が得られ従来得られなかったほどの組織学的効果を示す症例が認められたことから、進行乳癌に対する本法は期待される治療法と思われる。