ABSTRACT 2400(P12-16)
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未来の臨床試験のあり方:廣野正啓1,大崎達也1,松本久徳2(1千葉がんセ・婦,2大塚アッセイ研究所)

Future method in clinical trials of new anticancer agents : Masahira HIRONO1,Tatsuya OOSAKI1, and Hisanori MATSUMOTO2(1Dep. Gynecol., Chiba Cancer Cent.,2Ootsuka Reseach Institute)

(目的)1973年より現在まで、主に婦人科がんの原発巣・転移巣又は胸・腹水由来の初代培養細胞による抗がん剤感受性試験を行い、その結果で、徐々に臨床応用している。その過程で、個々の症例で、がん細胞の特性が夫々異なり、抗がん剤に対する反応も異なっていることが判明した。又、1991年より形態学的判定方法の他に、FCMも判定に応用している。今回は、その臨床応用の際に、感じた現在の臨床試験の未熟さを報告する。
(対象と方法)対象としては、361例(子宮体がん123,子宮頚がん70,卵巣がん42,腹水を伴うがん性腹膜炎78,その他48)の胸・腹水または手術時の材料を用いた。方法としては、初代培養細胞による抗がん剤感受性試験による結果を検索した。
(結果・考案)この感受性試験の結果からみると、現在までの臨床試験による抗がん剤の効能・効果とは明らかに相違がある。これは前臨床段階でのスクリ-ニング方法にこの感受性試験がなされていないことによるものと思われる。さらに、この感受性試験を施行し、この結果を参考にすることにより、人道的問題もある程度解決され、全体の奏効率の上昇・症例数の減少・併用療法のよき組み合わせが期待できると思われる。