ABSTRACT 2409(P12-17)
Saikosaponinおよびそのaglyconeの自然転移抑制作用:前田雅代, 太田隆英, 松井勇樹, 本城史郎, 谷野幹夫, 田中卓二, 小田島粛夫(金沢医大・第一病理)
Inhibitory effects of saikosaponins and their aglycones on the spontaneous metastasis of Lewis lung carcinoma cells : Masayo MAEDA, Takahide OTA, Takeshi MATSUI, Shiro HONJOH, Mikio TANINO, Takuji TANAKA, Shizuo ODASHIMA. (Dept. Pathol., Kanazawa Med. Univ.)
〔目的〕植物性配糖体Saikosaponin (SS) およびそのaglyconeのsaikogenin (SG) にはin vitroで癌細胞の増殖を抑制するものが多い。今回、Lewis lung carcinoma (3LL)細胞の自然転移能に対するSSおよびSGの作用を検討した。
〔方法〕3LL細胞1x10の5乗個をマウスfoot padに移植した。SSおよびSGは、移植翌日から屠殺まで投与量1mg/kgで隔日腹腔内投与された。細胞移植後3〜4週間目に腫瘍部位を切除し、その約2週間後にマウスを屠殺して肺転移数を測定した。
〔結果〕SSaおよびそのaglyconeであるSGF投与群でコントロール群と比較して肺転移数の減少が認められた。またSSaおよびSGF投与群では、原発巣における腫瘍増殖も抑制されていた。
〔考察〕SSaおよびSGFに肺転移抑制効果が認められたが、転移抑制機序の一つは原発巣での腫瘍増殖の抑制であった。転移抑制作用が期待できる薬物としての可能性が示唆された。