ABSTRACT 2410(P12-17)
マウスおよびヒト乳癌細胞株に対するcarmofurとdocetaxelの併用効果:吉崎 巌1、武田泰隆1、野中泰政1、柳衛宏宣1、江里口正純1、松沢昭雄2(1東大・医科研・外、2東大・医科研・実動)
Effects of the combination of carmofur and docetaxel on a mouse and a human breast cancer cell line : Iwao YOSHIZAKI1, Yasutaka TAKEDA1, Yasumasa NONAKA1, Hironobu YANAGIE1, Masazumi ERIGUCHI1, Akio MATSUZAWA2 ( 1Dept. of Surg., 2Anim. Res. Ctr., Inst. Med. Sci., Univ.of Tokyo )
docetaxelは、チューブリンの重合を促進するとともに微小管の脱重合を抑制して、細胞分裂をM期に停止させることで、抗腫瘍効果を発揮する。これに代謝拮抗剤である5-FUの誘導体であるcarmofurを併用することで、その抗腫瘍活性の増強の有無を検討した。使用した細胞株は、マウス乳癌株MM2とヒト乳癌株MCF-7である。in vitroの実験では、96 well microplateに104/wellの細胞を播種し、数日培養後、carmofurとdocetaxelを10ng/ml〜100μg/mlまで濃度を変えて添加し、72時間培養後MTSアッセイにて、その併用効果を検討した。MM2に対しては、carmofur 100ng/ml以下、docetaxel 1μg/ml以下にてその併用効果はみられたものの、MCF-7に対してはこの範囲以内では明らかな併用効果は観られなかった。これは、浮遊細胞系か付着細胞系かなどの使用した細胞株の生物学的特性によると思われた。さらに、in vitroにおいては、添加濃度を変えた場合、同時投与のみでなく投与スケジュールを変えた場合の併用効果の有無について検討している。そして、MM2はC3H/Heマウスに、MCF-7はBALB/cのヌードマウスに移植して、carmofur 10mg/kg〜200mg/kgを経口で週5回4週間、docetaxel 10mg/kg〜40mg/kgを4日毎3回腹腔内に投与して、in vivoにおける併用効果を検討している。