ABSTRACT 2448(P14)
磁性微粒子による脳腫瘍温熱療法の抗腫瘍効果及び免疫誘導の検討:若林俊彦1、大野貴也1、吉田純1、柳瀬 貢2、新海政重2、本多裕之2、小林 猛2(名大・医・脳外1、名大・工・生物機能工2)
Intracellular Hyperthermia and induction of antitumor immunity for brain tumor using Magnetite Cationic Liposomes:Toshihiko WAKABAYASHI1, Takanari OHNO1,Jun YOSHIDA1, Mitsugu YANASE2, Masashige SHINKAI2,Hiroyuki HONDA2,Takeshi KOBAYASHI2 ( 1Dept. of Neurosurg, Nagoya Univ. Sch. Med., 2Dept. of Biotech., Nagoya Univ. Sch. Tech.)
【目的】磁性微粒子マグネタイト包埋カチオニックリポソーム(MCL)の高周波磁場処理による脳腫瘍温熱療法の直接的抗腫瘍効果、更に免疫賦活効果を検討した。【方法】T9 rat gliomaをラットの大腿部皮下に移植生着後MCLを投与し、翌日から高周波磁場処理の連日施行による温熱加療を行い腫瘍動態を観察した。また、同時両側移植腫瘍の一側処理した際の、対側腫瘍の動態を観察した。【結果】磁場処理にてMCL注入腫瘍は高い治癒率を示し、温熱効果のない対側の腫瘍においても腫瘍退縮が観察された。腫瘍内にMCL投与のみ行い、高周波磁場未処理の場合、腫瘍退縮や増殖抑制は両側とも認めなかった。また温熱処理にて治癒したラットの脾臓リンパ球にはT9特異的抑制効果を認めた。【結論】MCLを用いた温熱療法にて直接的抗腫瘍効果と共に免疫系が活性化され、抗腫瘍免疫賦活効果が期待される。