ABSTRACT 2449(P14)
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微小鉄粒子とIg-Gのconjugateによる腫瘍特異的体内温熱療法の試み:森武生、安野正道、高橋慶一(都立駒込病院外) 

The experimental study for tumor-specific internal hyper thermic therapy using nano-particle of fero-fluid and Ig-G conjugate:Takeo MORI, Masamichi YASUNO, Keiichi TAKAHASHI(Dept. of Surg. Tokyo Metropolitan Komagome Hosp.)

(目的)直径10nm以下の鉄微粒子は体内において網内系に取り込まれることなく分布し、磁場をかけると共振して熱を発する。この性質を利用して、Ig-Gとconjugateさせて腫瘍特異的に鉄微粒子を蓄積させた後、体外磁場を負荷して温熱による抗腫瘍効果を期待した。
(方法と結果)直径10nmの鉄微粒子0.04mMolをratの門脈内に注入して1500ガウスの磁場を負荷すると周辺温度に比べて明瞭に異なる約3℃の上昇域が認められた。また125-IによってラベルされたIg-G.F(ab)'とSPDPを混合した後PD10カラムにて分画し限外濾過にて濃縮したIg-Gと0.1Mの微粒子鉄溶液を攪拌放置後磁石分離スタンドにより集められた物質をFe-Ig-Gconjugateとした。WKAHratの背部皮下にKDH-8腫瘍を1*106個移植し、その12日後にFe-Ig-Gconjugateを0.5ml尾静脈より注入し、1時間後と24時間後に各臓器内の放射活性を測定した。その結果血液や肝肺腎などの放射活性は24時間後には約50%以下に減少したが、腫瘍内では150%に上昇し、Fe-Ig-Gconjugateが腫瘍特異的に取り込まれていることが判明した。
(考察)Fe-Ig-Gconjugateは腫瘍特異的な温熱療法の新しい方法として有効であることが示唆された。