ABSTRACT 2452(P14)
 ポスターセッション一覧 トップ 


食道癌細胞におけるアポトーシス誘導関連遺伝子導入による放射線感受性増強の検討:井上秀樹,金隆史,桑原正樹,桧原淳,吉田和弘,山下芳典,平井敏弘,峠哲哉(広島大・原医研・腫瘍外科)

Sensitization to ionizing radiation by introducing bax gene into esophageal cancer cells: Hideki INOUE, Ryungsa KIM, Masaki KUWAHARA, Jun HIHARA, Kazuhiro YOSHIDA, Yoshinori YAMASHITA, Toshihiro HIRAI, Tetsuya TOGE (Dept. of Surg. Oncol., R.I.R.B.M., Hiroshima Univ.)

【目的】これまでに我々は、8種の食道癌細胞株を用い放射線照射によるアポトーシス誘導と放射線感受性について検討した結果、放射線感受性とアポトーシス誘導に相関関係を認め、アポトーシス誘導には、p53の遺伝子型は関連なく、bax遺伝子の発現と誘導が必要である可能性を示してきた。そこで次に放射線低感受性細胞株にアポトーシス誘導遺伝子baxを導入し、放射線感受性増強について検討した。【方法】放射線低感受性細胞株への遺伝子導入は、リポフェクション法にて行った。【結果および考察】baxを遺伝子導入した放射線低感受性細胞株の放射線感受性は増強した。mRNAの検討ではbax遺伝子の経時的な誘導は認めなかったが、恒常的発現を認め、他のアポトーシス誘導関連遺伝子(p53,p21)の誘導も認めた。以上より、食道癌細胞の放射線感受性規定因子にbax遺伝子発現の関与が示され、その誘導関連遺伝子は密接に相互作用を及ぼしている可能性が示唆された。