ABSTRACT 2453(P14)
食道癌における放射線感受性に関する検討:宮田博志、土岐祐一郎、川西賢秀、矢野雅彦、井上雅智、辻中利政、塩崎均、門田守人〔阪大・医・2外)
Sensibility of radiation therapy to advanced esophageal cancer :Hiroshi MIYATA , Yuichiro DOKI , Kensyu KAWANISHI ,Masahiko YANO , Masatoshi INOUE , Toshimasa TSUJINAKA , Hitoshi SHIOZAKI , Morito MONDEN ( Dept. of Surg 2, Osaka Univ. )
[目的]進行食道癌に対する放射線治療の感受性因子は確立されていない。今回、治療開始後早期のApoptosisより臨床効果を予測しようと試みた。[方法]14例の進行食道癌において放射線治療開始後3日目(2Gy/day)の生検標本を用い、TUNEL法によるApoptosisの程度と、免疫染色によるApoptosis関連蛋白の発現とを比較した。また、放射線治療後、外科的切除施行した7例については組織学的効果度とこれらの因子を比較検討した。[結果]3日目のApoptosisの割合は50-82%であった(平均60%)。しかし、p53, bcl-2, bax, p21の発現量との関連は認めなかった。組織学的効果はgrade3(完全消失)が2例、grade2(有効)が5例であった。grade3の症例はApoptosisが82%, 70%と高い傾向にあった。[結論]Apoptosisを早期に評価することにより、長期にわたる放射線治療の臨床的効果を予測することが可能であると考えられた。