ABSTRACT 2458(P14)
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マウス骨肉腫細胞に対するアクリジンオレンジと低線量放射線照射による殺細胞効果―ドキソルビシンとシスプラチンとの比較ー:橋口 津1、楠崎克之1、平田正純1、村田博昭1、竹下秀之1、平澤泰介11京都府立医大・整形)

Cell Killing Effect on Mouse Osteosarcoma by Acridin Orange with Low Dose Radiation - Comparative study with Doxorubicin and Cisplatin -:Shin HASHIGUCHI1, Katsuyuki KUSUZAKI1, Masazumi HIRATA1, Hiroaki MURATA1, Hideyuki TAKESHITA1, Yasusuke HIRASAWA1 (1Dept. of Orth. Surg., Kyoto Prefectral Univ. of Medicine)

【目的】我々はアクリジンオレンジ(AO)と低線量放射線照射の併用がマウス骨肉腫細胞に対し強い殺細胞効果を有していることを見出した。今回は、ドキソルビシン(DOX)とシスプラチン(CDDP)にも低線量放射線照射を併用し、AOの効果と比較した。
【材料と方法】材料は放射線誘発マウス骨肉腫細胞である。この細胞株はDOX、CDDPに感受性である。これにAO(0.1、0.05μg/ml)、DOX(0.6、0.06μg/ml)、CDDP(2.5、0.25μg/ml)をそれぞれ同時投与し、1および5Gyの放射線を同時に照射した。放射線照射は治療用放射線照射装置(Lineac、Mitsubishi elec.ML-6M、X-ray、4MV)を用いた。照射条件は焦点−検体間距離100cm、線量率1.40Gy/min、気温(室温)24.3℃、気圧1012.8hpに設定した。薬剤無添加、放射線非照射群をコントロールとし経時的に生細胞数をトリパンブルーとhemocytometerを用いた生細胞色素排泄試験で測定し、細胞増殖を解析した。
【結果】DOX、CDDP、AO、放射線のいずれも単独ではほとんど殺細胞効果を示さなかった。DOXとAO投与群で放射線併用効果を示したが、CDDP投与群では明らかな併用効果は認めなかった。またAO投与群ではいずれの濃度でも併用効果を認めたが、DOX投与群では高濃度のDOXと高線量の放射線の併用でのみ弱い併用効果を示した。