ABSTRACT 2460(P14)
炭素イオン線分割照射後の早期皮膚反応と晩期皮膚短縮障害に関する検討:大平知佐1,小池幸子1,野島久美恵1,安藤興一1,安藤総一郎1,清水わか子1,大淵 徹2,小林信(1放医研・第3研究グループ,2千葉大・医)
Mouse Skin Reaction and Skin Shrinkage after Fractionated Irradiation with Carbon-12 beam:Chisa OOHIRA1, Sachiko KOIKE1, Kumie NOJIMA1, Koichi ANDO1, Soichiro ANDO1, Wakako SHIMIZU1, Tohru OHBUCHI2, Nobuyoshi KOBAYASHI1 (1The 3rd Research Group.,Natl Inst Radiol Sci.,2Med. Chiba Univ)
【目的】マウス皮膚早期と晩期障害について、重粒子線RBEを比較する.【方法】C3H雌マウスの下肢部皮膚のみを290MeV/u炭素線の6CM拡大ブラッグピークで射した。照射は1日1分割であり、分割線量は固定した等分割照射とした.線量効果関係曲線からスコアー3.0(湿性皮膚炎;30日以内)と皮膚短縮障害(35日目と320日目)をもたらす等効果線量を求め、解析を行った.【結果】皮膚反応と皮膚短縮はともに低いLET(14 keV/micromから40 keV/microm)では分割回数が1回から4回まで増えると一旦線量増大が留まり、8分割で再度増大していた。皮膚反応に関与する細胞のalpha値とbeta値はLETの増加とともに増大した.RBE:早期皮膚反応と晩期皮膚短縮障害の炭素線RBEはLETが増加すると増大した.RBEのエンドポイント依存性は分割回数が増えると少なくなり,8分割照射では早期皮膚反応,早期皮膚短縮,晩期皮膚短縮が同じRBEを示した.【考察】この実験では分割回数が増大すると分割当たり線量は減少する.小線量ではalpha termによる細胞致死が主となるので,皮膚ではalpha termによる損傷は細胞・組織の特異性に左右されない発現をもたらすことが示唆された.