ABSTRACT 2462(P14)
肝細胞癌に対する重粒子線治療の放射線感受性に関する研究:傳田忠道1、時田尚志2、吉川正治3、江原正明3、倉田矩正1、税所宏光3、加藤博敏4、古澤佳也4、宮本忠昭4、辻井博彦4、大藤正雄3,4(1千葉がんセ・臨検、2千葉がんセ・動管、3千葉大・医・一内、4放医研・重粒子治療センター)
Studies of sensitivity in human hepatoma cell lines for heavy charged particle therapy: Tadamichi DENDA, Hisashi TOKITA, Masaharu YOSHIKAWA, Masaaki EBARA, Norimasa KURATA, Hiromitsu SAISHO, Hirotoshi KATO, Yoshiya FURUSAWA, Tadaaki MIYAMOTO, Hirohiko TSUJII, Masao OHTO
【目 的】我々は抗癌剤投与前に採取した腫瘍を用いて核の形態変化を指標とした抗癌剤感受性試験を実施し治療に役立てている。今回は重粒子治療の効果予測法としての感受性試験を確立するために、ヒト肝癌由来とヒト血液腫瘍細胞由来の細胞株を用いて、重粒子線照射後の形態変化を比較した。
【方 法】使用した細胞株はヒューマンサイエンス研究資源バンクより譲与されたヒト肝癌由来のHLEとHLF、ヒト血液腫瘍由来のHL60RGとU937である。炭素イオンビームをLET 75keV/μmで1、3、10Gy照射した。4、8、16時間培養後、細胞を塗抹しGiemsa染色後、核の形態変化を観察し、コントロールと比較した。Oncor ApopTag(r) Plus Kitを使用しTUNEL染色も行なった。
【結 果】1)照射後の核の形態変化でみると肝癌由来細胞株は血液腫瘍由来細胞株よりも重粒子線に対する感受性が低かった。2)TUNEL染色を行なうことによって核の形態変化よりも早期に変化をとらえることができた。3)アポトーシス様の分葉化した核よりも核破砕像を呈した細胞でTUNEL染色陽性となることが多かった。4)HLEやHLFのように接着して増殖し重粒子線に感受性が低い細胞株は、照射後の細胞処理の方法により重粒子線の効果が変化した。