ABSTRACT 2464(P14)
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低酸素性細胞放射線増感剤TX-1877及びその誘導体に関する分子設計と免疫賦活作用:
葛西宗江1,永沢秀子1,宇都義浩1,小林剛1,稲山誠一2, 3,猪俣泰典4,堀均1
 (1徳島大・工・生物工学,2東洋医科研,3慶応大・医,4高知医大・放医)

Design and immunopotentiation of hypoxic cell radiosennsitizer TX-1877 and its analogs : Soko KASAI1, Hideko NAGASAWA1, Yoshihiro UTO1, Tsuyoshi KOBAYASHI1, Seiichi INAYAMA2,3, Taisuke INOMATA4, Hitoshi HORI1 (1 Dept. Biol. Sci.&Technol.,Fac.Engg., Univ. Tokushima, 2 Inst. Oriental Med. Sci., 3 Pharmaceut. Inst., Sch. Med., Keio Univ., 4 Dept. Kochi Med. School.)

[目的]我々は2-nitroimidazole系低酸素性細胞放射線増感剤として開発したTX-1877がin vivoにおいて腫瘍成長抑制効果,肺転移抑制効果及び腫瘍組織へのマクロファージやTリンパ球の浸潤による免疫賦活作用を有することを見い出した.今回,新規TX-1877誘導体の分子設計・合成,増感作用及びTX-1877の免疫賦活作用,転移抑制作用ついて報告する.
【実験】分子設計・合成: TX-1877はKIN-806をlead化合物として合成した.TX-1877誘導体としてOH誘導体や種々のhydroxylamide化合物を合成した.放射線増感試験:EMT6/KU 細胞に薬剤を添加しhypoxic下60Coを照射しコロニー形成法で増感率(ER)を得た.in vivo活性試験:8週令雌のC3H/HeマウスとSCCVII腫瘍を用い,腫瘍細胞を100000個移植後,15日目に放射線30Gyを1回照射した.KIN-806とTX-1877を放射線照射30分前に0.4mg/gマウスを投与した.薬剤投与時より腫瘍径の測定を経時的に行った.肺転移結節数は薬剤投与後3週目に肺表面の転移結節数をカウントした.腫瘍と肺を摘出した後,これを染色し浸潤単核球の種類と程度を検討した.
【結果】 TX-1877はKIN-806と比較してより強い転移抑制作用を示し,またより水溶性であり,Biological Response Modifierとしての作用を有する新規放射線増感剤として注目すべき化合物である.さらに免疫賦活作用に関しマクロファージ活性化についても検討したので報告する.