ABSTRACT 2466(P14)
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白血病細胞への放射線照射は細胞周期G2 期からの細胞死を誘導する:山田順子1,2,福味禎子1,岩瀬さつき2,山田 尚1,2,大野典也11慈恵会医大・DNA医学研,2慈恵会医大・内4【青戸】)

Irradiation induces cell death following G2 arrest in leukemic cells.: Junko HORIGUCHI-YAMADA1,2,Sachiko FUKUMI1, Satsuki IWASE2, Hisashi YAMADA1,2, Tsuneya OHNO1 (1Inst. of DNA Med.,Jikei Univ. Sch. Of Med.,2Dept. Of Int. Med.IV (Aoto),Jikei Univ. Sch. Of Med.)

【目的】治療により悪性腫瘍細胞はどのような影響を受け細胞死に至るかを解明する。【方法】白血病細胞HL60にX線を照射し1)細胞周期の解析、2)形態学的観察、3)Caspase 3 (DEVDase) 活性、4)p34cdc2 リン酸化活性 について検討した。【結果】X線3,6,10Gyを照射したところ12-24時間にかけ細胞周期上G2期への集中がみられた。3,6Gy照射細胞はその後再増殖するが、10Gy 照射した細胞は細胞死の誘導により培養の継続が不可能だった。以後10Gy 照射細胞で検討した。蛍光色素Ho33342染色による形態学的観察では24時間後よりapoptotic cellが増加し48時間後には70%に及んでいた。Caspase 3 活性も同様の時間的推移で上昇した。p34cdc2 のヒストンH1リン酸化は照射後いったん低下するものの再び上昇しapoptotic cell が大半を占める36時間の細胞でも高いリン酸化能を示した。この過程でアポトーシス関連遺伝子群のmRNAレベルに変化はなかった。【考案】p53を欠失しているHL60細胞は照射によりG2期に停止し、その後形態的アポトーシスに陥っていた。G2 arrestはp34cdc2リン酸化活性の低下によると考えられるが、アポトーシスの出現とリン酸化の回復が同時期に見られたことは興味深く報告する。