ABSTRACT 2475(P14)
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ボロン封入ステルスリポソームの中性子捕捉療法への応用に関する基礎的研究:柳衛宏宣1、野中泰政1、武田泰隆1、吉崎 巌1、江里口正純1、武藤徹一郎1 ( 1東大医科研外 )

Application of boron-compound entrapped stealth liposome to boron neutron capture therapy : Hironobu YANAGIE 1, Yasumasa NONAKA 1, Iwao YOSHIZAKI 1, Masazumi ERIGUCHI1, Tetuitiro MUTO 1(1Dept. of Surg., Inst. of Med. Sci., Univ. of Tokyo)

【目的】中性子捕捉療法( BNCT )はボロン(10B )原子を腫瘍に集積させ熱中性子を照射し、生じたα線で腫瘍を破壊するため、いかに多くの10B 原子を腫瘍に集積させ得るかが重要なポイントとなる。ボロン化合物を静注法で投与する場合、網内系に捕捉される可能性が強い。我々は、Polyethylene glycolを結合した10B封入Stealth liposomeを作製し、腫瘍への集積性を検討した。【方法】膵癌細胞AsPC-1を移植したヌードマウスに10B封入Stealth liposomeを静注後、経時的に40μmの全身切片を作製し、中性子ラジオグラフィーを用いて集積性を検討した。【結果】CR39 Track Etch Detector のα track の計測により、PEG(2000) 10B-liposomeを投与した場合、静注6時間後、腫瘍への集積性を認め、しかも肝・腎での捕捉は抑制されていた。対照群のBare liposomeは、腫瘍への集積は弱く、肝・腎に多くの集積を認めた。【結論】LiposomeをPEG化することにより血中での滞留性を高めることが可能となった。腫瘍特異的リガンドを用いたり、反復投与することにより、 腫瘍への10B集積性を上昇させ得れば、BNCTの効果増強が期待でき、臨床応用へと発展させたい。