ABSTRACT 2511(P15-4)
出芽酵母を用いたBRCA1およびBRCA2のスクリーニング法の開発: 酒寄真人1, 島田 哲1, 鈴木貴夫1, 金丸龍之介1, 相田 浩2, 田中憲一2 , 石岡千加史1 (1東北大・加齢研・癌化学、2新潟大・産婦)
Screening of BRCA1 and BRCA2 with Stop Codon assay(SC assay) using yeast: Masato SAKAYORI1, Akira SHIMADA1, Takao SUZUKI1, Ryunosuke KANAMARU1, Hiroshi AIDA2, Kenichi TANAKA2 , Chikashi ISHIOKA1 (1Dept. Clin. Oncol., IDAC, Tohoku Univ., 2Dept. Ob. and Gyne. Niigata Univ. sch. Med.)
[目的・方法]家族性乳癌/卵巣癌の原因遺伝子であるBRCA1およびBRCA2の変異の70-90%は、フレームシフト変異とナンセンス変異であり、変異の位置は両遺伝子の大きな翻訳領域に広く分布しているため、従来の方法より簡便なスクリーニング法の開発が必要である。我々は、 最近開発したStop Codon assay(SC assay)を用いてBRCA1およびBRCA2のスクリーニング法を開発し、 日本人家族性乳癌/卵巣癌家系に対して遺伝子診断を行った。[結果]BRCA1およびBRCA2用のSC assayが、 BRCA1およびBRCA2の変異を検出できることを確認後、新潟大学・産婦人科学教室との共同研究で、 日本人家族性乳癌/卵巣癌8家系に対して遺伝子診断を行い、 BRCA1において2家系3検体でヘテロ接合性変異を検出した。 BRCA2についても現在変異の検索を進めているところである。 日本人におけるBRCA1およびBRCA2の変異の頻度や変異キャリアーからの乳癌あるいは卵巣癌の発症リスクについては、解析された家系、患者数が少なく、いまだ不明である。今後、これらの点を明らかにするためにはBRCA1およびBRCA2変異のデータベースを構築する必要があり、SC assayは第1スクリーニング法として有用であると考えられる。