ABSTRACT 2514(P15-4)
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高齢者非小細胞肺癌進行症例におけるp53遺伝子変異の予後因子としての意義:村上功1, 檜山桂子2, 横崎恭之1, 山木戸道郎21国療広島病院・内, 臨床研究室, 2広島大・医・二内)

p53 gene mutations as a prognostic factor in high-aged patients with advaned non-small cell lung cancer: Isao MURAKAMI1, Keiko HIYAMA2, Yasuyuki YOKOSAKI1, Michio YAMAKIDO2 (1Dept. Int. Med, Dept Labo. Med. National Hiroshima Hospital, 22nd. Dept. Int. Med. Hiroshima Univ. Sch. Med.)

【目的】我々はすでに非小細胞肺癌進行例におけるp53遺伝子変異が不良な予後因子であるという結果を治療前診断により得ている。そこでこの傾向が高齢者肺癌に限った場合にも認められるか否か検討した。
【対象ならびに方法】非小細胞肺癌進行症例83例に施行された、気管支鏡、胸腔穿刺、経皮肺穿刺などの診断手技によって得られた臨床材料の一部からDNAを抽出し、PCR-DGGE法(変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法)にてp53遺伝子のExon3から9の領域における突然変異の解析を行い、高齢者群:70歳以上(77±6歳)38例、非高齢者群:70歳未満(58±9歳) 45例の2群に分けて、突然変異の頻度とそれによる予後の差を比較、検討した。
【結果】1)進行非小細胞肺癌症例におけるp53遺伝子変異の頻度は、高齢者群で32%(12/38)、非高齢者群で44%(20/45)で差は認められなかった。2) 高齢者群、非高齢者群ともp53遺伝子変異陽性例は陰性例より予後が不良であり、この傾向は高齢者群の方が顕著であった。
【結論】非小細胞肺癌進行症例におけるp53遺伝子変異は、高齢者においても不良な予後因子であった。