ポスターセッション

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婦人科癌患者に於ける多重癌及び家族性癌に関する臨床並びに遺伝的解析：小林　寛治、 寒河江　悟、武田　智幸、寺沢　勝彦、石岡　伸一、西岡　嘉宏、工藤　隆一（札幌医大.産婦）

Clinical study and genetic analysis of multiple primary and familial malignancies in patients with gynecologic cancer： Kanji Kobayashi, Satoru Sagae, Tomoyuki Takeda, Katsuhiko Terasawa, Shinichi Ishioka, Yoshihiro Nishioka, Ryuichi Kudo.(Dept. of Obstetrics and Gynecology, Sapporo Medical Univ.)

近年、多重、家族性癌の頻度が上昇している。当科にて1981 - 1996年の16年間に治療した1400名の婦人科癌患者における多重、家族性癌について詳細に検討を行った。多重癌は47(3.4%)名であり、特に卵巣癌(8.0%)、子宮内膜癌(6.3%)患者に於いて浸潤子宮頚癌(1.5%)患者より高頻度に認められた(p<0.001)。家族性癌の発生も卵巣癌、子宮内膜癌において高頻度であり、卵巣癌患者においては乳癌、子宮内膜癌患者においては大腸癌の家族歴を有する者が浸潤子宮頚癌に比較し多かった。RER(Replication error)を検討した40例の子宮内膜癌において家族性癌(+)の患者にRER(+)の頻度が高かった(p<0.05)。RER(+)子宮内膜癌患者はRER(-)患者より生存率は低率であった(p=0.0013)。又4例の遺伝的形式をとる卵巣癌患者を認め、その1例にBRCA1遺伝子の変異を認めた。以上より(a)婦人科癌、特に卵巣癌、子宮内膜癌患者において、2次性、家族性癌の発生を注意深く検査していかなければならない。(b)これら2つの癌においてGenetic Analysisは多重、家族性癌及び、予後不良と推測される子宮内膜癌のRisk診断に有用である可能性が示唆された。