ABSTRACT 2519(P15-4)
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von Hippel-Lindau病家系における遺伝子解析の検討:篠原信雄1、原林 透1、矢尾正祐2、執印太郎3、小柳知彦11北大・医・泌、2横浜市大・医・泌、3高知医大・医・泌)

Evaluation of DNA polymorphism analysis in families with von Hippel-Lindau disease:Nobuo SHINOHARA1, Tohru HARABAYASHI1, Masahiro YAO2, Taro SHUIN3, Tomohiko KOYANAGI1 (1Dept. of Urol., Hokkaido Univ. Sch. of Med., 2Dept. of Urol., Yokohama City Univ., 3Dept. of Univ., Kochi Med. Univ.)

[目的]von Hippel-Lindau (VHL)病は、常染色体優性遺伝形態を示す、腫瘍を多発する症候群である。今回我々はVHL病家系におけるVHL遺伝子の解析の意義について検討を加えたので報告する。[方法]当科でfollowup中のVHL4家系の内、遺伝子診断に関する十分なInformed consentが得られた15例(発症患者6例、未発症家族9例)を対象とした。VHL遺伝子の異常については、患者またはその家族より採血し、白血球を用い、Southern blot, PCR-SSCPにより解析し、VHL発症との因果関係を検討した。[結果]2家系においてVHL遺伝子のgermline mutation (missense mutation 1, inframe-deletion 1)がみられ、結局、患者6例中、4例(67%)でVHL遺伝子の異常が検出された。また、未発症家族2例でVHL遺伝子のgermline mutationがみられ、その後の検索にて小脳の血管芽腫、膵嚢胞が見いだされ、VHL患者であることが確認された。結局、VHL遺伝子の異常のみられた6例は、全例(100%) VHL病患者であった。一方、VHL遺伝子の変異が検出されなかった未発症家族7例は全例臨床的にVHL病患者でないことが示された。[結語]以上の結果より、VHL遺伝子の解析は、VHL病の診断において、発症前診断も含め、有用であると思われた。