ABSTRACT 2522(P15-4)
Denaturing gradient gel electrophoresis(DGGE)法を用いたPolymorphic reticulosisにおけるT細胞抗原受容体γ遺伝子の再構成の解析:中塚伸一1,菅野祐幸1,大澤政彦1,2,青笹克之1(1阪大・病理病態,2市立池田病・病理)
Analysis of rearrangement of T-cell antigen receptor in polymorphic reticulosis by denaturing gradient gel electrophoresis:Shin-ichi NAKATSUKA1,Hiroyuki KANNO1,Masahiko OHSAWA1,2,Katsuyuki AOZASA1 (1Dept. of Pathol.,Osaka Univ. Med. School,2Dept. of Pathol.,Ikeda City Hosp.)
Polymorphic reticulosis(PR)は鼻腔・副鼻腔内に発生するリンパ増殖性疾患であり、起源についてはT/NK細胞由来が提唱されてきた。我々はT細胞抗原受容体γ遺伝子(TCRγ)の再構成を解析することにより、その細胞起源を検討した。TCRγは他のTCR subunitに比べT細胞のより早い成熟段階で再構成を起こすため、再構成の有無を解析する対象として適した遺伝子である。方法として我々はPCR-DGGE(denaturing gradient gel electrophoresis)法を用いた。DGGE法は変性剤による濃度勾配のついたゲルを用いた電気泳動法であり、高い感度、特異性を以てclonalityを解析し得る。我々の検出系においてもpolyclonalな背景から最低5%以上のclonal populationを検出する感度を確認している。この方法を用いて、国内、韓国、中国から集めたPR凍結標本から抽出したDNAのTCRγ再構成を解析した結果、多くの症例でNK細胞由来を支持する結果を得たので報告する。