ABSTRACT 2525(P15-5)
アデノウイルスベクターを用いた胃癌に対する遺伝子治療の基礎的検討:平尾具子、澤田秀智、小山文一、渡辺明彦、山田行重、辰巳満俊、阪口晃行、藤本平祐、江本宏史、成清道博、中野博重 (奈良医大・1外)
Adenovirus mediated gene transfer into human gastric cancer cells as a prelude to adenovirus mediated gene thetapy: Tomoko HIRAO, Hidetomo SAWADA, Fumikazu KOYAMA, Akihiko WATANABE, Yukishige YAMADA, Mitutoshi TATSUMI, Teruyuki SAKAGUCHI, Heisuke FUJIMOTO, Kouji EMOTO, Michihiro NARIKIYO, Hiroshige NAKANO (1st. Dept. Surg. Nara Med. Univ.)
目的:胃癌に対する遺伝子治療の可能性を追及するため、進行胃癌に高率に発現しているEpidermal Growth Factor受容体(EGFR)のアンチセンスを発現している組み換えアデノウイルス(Ad-EAS)を作製し、抗癌剤との併用によりヒト胃癌培養細胞株に及ぼす影響について検討した。
方法:ヒト胃癌培養細胞株はAGS・KKLS・MKN28の3株を用いた。Ad-EASにてEGFR発現を抑制した後、抗癌剤を投与し、薬剤単独投与群・Ad-EAS単独投与群・Ad-EAS薬剤併用投与群にて増殖実験を行った。コントロールとして、β-galactosidase発現アデノウイルスを使用した。
結果:3株のヒト胃癌培養細胞株において、Ad-EAS薬剤併用投与群では薬剤単独投与群・Ad-EAS単独投与群に比較して、細胞増殖抑制効果が認められた。