ABSTRACT 2527(P15-5)
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ヒト大腸癌培養細胞株におけるアデノウイルスベクターによるp53遺伝子導入:土井理恵子,倉立至,岡本英司,笠城典子,安達博信,井藤久雄(鳥取大・医・一病理)

Adenovirus-mediated p53 gene transfer into colon carcinoma cell lines : Rieko DOI, Itaru KURATATE, EijiOKAMOTO, Noriko KASAGI, Hironobu ADACHI, HisaoITO(First Dept.Pathol.,Facul.of Med., Tottori Univ.)

【目的】アデノウイルスベクターを用いてP53遺伝子を大腸癌培養細胞株に導入し,アポトーシス誘導効果とアポトーシス関連蛋白発現を検討した.【材料と方法】ヒト大腸癌細胞株6株(COLO201,COLO320,DLD-1,SW837,WiDr,LoVo)に大腸菌LacZ遺伝子発現アデノウイルスベクター(AxCA-LacZ)を導入,72h後にX-Gal染色を行い各細胞株における遺伝子導入効率を検討した.ついで,ヒト野生型p53遺伝子発現アデノウイルスベクター(AxCA-p53)を用い,p53を導入した.Hoechst染色によりアポトーシス細胞を形態学的に観察し,Apoptotic Index (AI : %)を算出した.加えて,アポトーシス関連蛋白をWestern blot 法を用いて検出した.【結果】X-Gal染色では,50MOIにおいて80%以上のAd-LacZ導入がすべての培養細胞株で確認された.DLD1, LoVoでは経時的にAIが増加したが,COLO320, COLO201, SW837, WiDrでは変化はみられず,細胞はcell arrestを示した.Ad-p53導入後Western blot 法により,P53蛋白の経時的亢進,またP21の誘導が全細胞株でみられた.【まとめ】Ad-p53導入により大腸癌培養細胞株において,P53蛋白が高発現し,培養細胞はアポトーシスもしくはcell arrestを示した.