ABSTRACT 2534(P15-5)
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Fas関連遺伝子を組み込んだ組換えアデノウイルスの作成:大橋誠1,2,篠浦伸禎1,吉田陽子1,小俣政男2,濱田洋文11:癌研・癌化療セ・分子生物治療,2:東大・医・二内)

Construction, Propagation, and Titer Estimation of Recombinant Adenovirus for Fas-Related Genes : Makoto OHASHI1,2,Nobusada SHINOURA1,Yoko YOSHIDA1,Masao OMATA2,Hirofumi HAMADA1 (1Dept. of Mol. Biother. Res., Cancer Chemother. Ctr., Cancer Inst.,2: Dept. of Int. Med.(II), Univ. of Tokyo)

(目的)apoptosis誘導遺伝子を組み込んだ組換えアデノウイルス (Adv) は、293細胞に惹起されるapoptosisのため作成が困難な場合がある。そこでapoptosis抑制遺伝子を導入した293細胞のtransfectantを樹立し、その細胞でウイルス作成を試みた。
(方法)Fas関連遺伝子を組み込んだAdvを作成するため、レトロウイルスベクターでcaspase-resistant geneであるCrmA遺伝子を293細胞に導入し、293/CrmAを樹立した。この細胞を用いて、東大医科研・斎藤らのCOS-TPC法にてAdvを作成した。
(結果)293/CrmAはFas、Fas ligandをそれぞれ組み込んだAdvであるAxCAhFas、AxCAhFasLを効率的に作成するために有用であった。またtiterの高いウイルス液を調製することができた。293 plaque assayにてウイルス液のtitrationを行ったが、その結果はAxCAhFas、AxCAhFasLの実際のウイルス量を反映しなかったため、ウイルス量を評価するには感染細胞に導入されたAdv DNAのコピー数を決定する必要があると思われた。
(結論)この手法はapoptosisを惹起する遺伝子を組み込んだ組換えAdvの作成およびhigh titerのウイルス液の調製に役立つと考えられた。