ABSTRACT 2537(P15-6)
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自殺遺伝子を用いた軟骨肉腫の治療:瀬戸正史、若林弘樹、神籐佳孝、山崎隆、内田淳正三重大・医・整形、大阪鉄道病院・整形)

Gene therapy of chondrosarcoma using a suicide gene : Masashi SETO1, Hiroki WAKABAYASHI1, Yoshitaka SHINTO2, Takashi YAMAZAKI1, Atsumasa UCHIDA 1 (1Dept. Orthop. Mie Univ., 2Dept. Orthop.Osaka Hosp. for railroad employees.)

(目的)化学療法、放射線療法の無効な軟骨肉腫に対して自殺遺伝子を用いた新たな遺伝子治療を確立することを目的とした。(方法)軟骨肉腫の培養細胞株であるHCS−TGに対して、ヘルペスのチミジンキナーゼ遺伝子を挿入したレトロウイルスベクターを用いて遺伝子導入した。1. 抗ウイルス薬であるガンシクロビール(GCV)を用いて、その殺細胞効果をin vitroで検討した。2. ヌードマウスに移植された軟骨肉腫での増殖抑制効果を検討した。(結果)GCVの濃度が1μMで68%の殺細胞効果が認められ、10μMでは90%の殺細胞効果が認められた。bystander effect の検討では、1:20までの割合いではその80%の細胞に細胞死が認められた。ヌードマウスに移植された軟骨肉腫内に遺伝子導入細胞を局注し、GCVを腹腔内投与すると4週目においてその体積は有意に抑制された。(考察)自殺遺伝子を用いた軟骨肉腫の遺伝子治療は応用可能な段階であると考えられる。