ABSTRACT 2539(P15-6)
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補体制御因子ヒトCD55(DAF)発現ウイルス産生細胞によるレトロウイルスのヒト血清中での感染効率日浅厚則1・4、渡辺正人、池中一裕2、岡田秀親3、兼松隆之4、珠玖洋三重大・医・2内、2国立生理研、3名市大・医・分子医学研、 4長崎大・医・2外)

Infectious efficiency of retroviruses from packaging cells with CD55 in the fresh human serum: Atsunori HIASA1・4, Masato WATANABE1, Kazuhiro IKENAKA2, Hidechika OKADA3,Takashi KANEMATSU4, Hiroshi SHIKU1 (12nd Dept.of Int.Med., Mie Univ.Sch.Med., 2Natl.Inst.Physiol.Sci., 3Dept.of Mol.Biol.,Nagoya City Univ.Sch. Med., 42nd Dept.of Surg., Nagasaki Univ.Sch. of Med.)

(目的)レトロウイルスによる遺伝子導入は持続的な遺伝子の発現を可能とする。しかし in vivoでは、補体がその感染を妨げる要因であることが、知られている。我々は、補体制御因子の1つヒトCD55をウイルス産生細胞に持たせ、ヒト血清中でのウイルス感染効率におけるCD55の意義を検討した。
(方法)(1)ヒトCD55のcDNAをpBcMGs hygroRの発現ベクターに組換え、ウイルス産生細胞株ΨMP34-3に導入した。発現はFACSで確認した。(2)CD55発現ウイルス産生細胞株、陰性株のヒト新鮮血清中での viabilityをMTTアッセイで、産生ウイルスの血清中での感染効率の差をX-gal染色で検討した。(3)DAF中和抗体存在下での感染効率を検討した。
(結果)ヒト新鮮血清中でCD55 陽性株は陰性株よりviabilityの上昇が認められた。CD55陽性株産生ウイルスは、 陰性株ウイルスよりヒト血清中で感染効率が高かったが、その感染はDAFの中和抗体(1C6)にてブロックされた。
(結論)ヒトCD55高発現マウス由来産生細胞から得られたウイルスはヒト補体への抵抗性を獲得した。このことは遺伝子治療システムの改善に有用と考えられる。