ABSTRACT 2563(P15-8)
 ポスターセッション一覧 トップ 


ミッドカイン(MK)プロモーター領域を用いたヒト食道癌細胞に対する遺伝子治療の可能性:宮内基博1,島田英昭2,松原久裕2,落合武徳2,磯野可一2,門松健治,村松喬, 崎山樹,田川雅敏1(千葉がんセ・研・1病理,千葉大・2二外,名大・一生化)

Potential usage of midkine promoter (MK) region in suicide gene therapy of human esophageal carcinoma cells: Motohiro MIYAUCHI, Hideaki SHIMADA2, Hisahiro MATSUBARA2, Takenori OCHIAI2, Kaichi ISONO2, Takashi MURAMATSU, Kenji KADOMATSU, Shigeru SAKIYAMA, Masatoshi TAGAWA (Div. Path., Chiba Cancer Ctr. Res. Inst., 2 2nd Dept . Sur. Sch. Med. Chiba Univ., 1st Dep. Biochem. Nagoya Univ. Sch. Med .)

[目的]癌の遺伝子治療では、導入遺伝子発現の腫瘍特異性と高発現性が求められる。我々は、多くのヒト腫瘍で高発現がみられるレチノイン酸反応性増殖因子の一つであるミッドカイン(MK)のプロモーター領域(MKp)に着目し、ヒトの食道癌細胞に対する同プロモーターを用いた遺伝子治療の可能性を検討した。[方法・結果]ヒト食道癌組織でのMK発現を抗MK抗体を用いた免疫染色で調べた。14例中8例の腫瘍細胞がMK発現陽性であった。陽性症例には組織学的深達度の高い症例が多く、浸潤能の高い食道癌細胞でのMKの発現が示された。ヒト食道癌培養細胞7種のMK発現をNorthern blot analysisにより調べたところ、細胞系間に発現量の差はみられたが全例MK発現陽性であった。CAT assayを用いてMKp活性を検討したところ、5'側2.3 kb領域のゲノムDNAにプロモーター活性が検出された。これらの細胞系にMKp・HSV-TK遺伝子を導入しGanciclovirによるin vitro 細胞障害性を検討中である。[結論]ヒト食道癌に対するMKプロモーターを用いた遺伝子治療の有効性が示唆された。