ABSTRACT 2564(P15-8)
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CEA産生ヒト大腸癌および近傍正常粘膜より分離したCEAプロモーター領域の比較検討:栗山茂樹1,池中一裕2,美登路昭1,富永謙太郎1,吉治仁志1,辻本達寛1,豊川泰勲1,浅田 潔1,福井 博11奈良医大・3,内,国立生理研)

Comparison of CEA promoter regions isolated from CEA-producing human colorectal carcinoma and adjacent normal mucosa: Shigeki KURIYAMA1,Kazuhiro IKENAKA2,Akira MITORO1,Kentaro TOMINAGA1,Hitoshi YOSHIJI1,Tatsuhiro TSUJIMOTO1,Yasunori TOYOKAWA1,Kiyoshi ASADA1,Hiroshi FUKUI1 (1Third Dept.of Int.Med.,Nara Med.Univ.,2Natl.Inst.Physiol.Sci.)

【目的】癌に対するin vivo遺伝子治療を行うには、癌細胞特異的かつ強力な遺伝子発現を誘導することが不可欠である.そこで,CEA産生ヒト大腸癌(CRCa)と近傍の正常粘膜(CRN)より分離したCEAプロモーター(CEA-P)領域の変異の有無およびプロモーター活性を比較検討した.【方法および成績】(1) CRCa (n=8)およびCRN (n=6)よりPCR法を用いて増幅したCEA-Pには,SSCP法にて検出し得る変異は無く,サイクルシークエンス法でも変異を認めなっかた.(2) CEA産生ヒト大腸癌細胞より分離した核抽出物は,ゲルシフトアッセイにおいてCRCaおよびCRN由来CEA-Pに有意差なく結合し、CRCa 由来CEA-Pへの結合は,CRN由来CEA-Pの過剰添加により完全に阻害された. (3) CRCaおよびCRN由来CEA-P は共に, CEA産生大腸癌細胞特異的かつ強力なルシフェラーゼ遺伝子発現を誘導し得た.【結論】CEA遺伝子の発現は,cis-acting element以外の調節を受けていることが示唆された.CRCaおよびCRN由来CEA-Pは共に,CEA産生大腸癌特異的かつ強力な外来遺伝子発現を誘導し得ることが示された.