ABSTRACT 2565(P15-8)
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電気穿孔法を用いた食道癌に対する抗癌剤併用遺伝子治療:松原久裕,田川雅敏,田崎健太郎,前田智子,小出義雄,舟波裕,大渕徹,島田英昭,浅野武秀,落合武徳,崎山樹千葉大・医・2外、千葉がんセ・研)

Basic examination of chemo-gene therapy for esophageal cancer using electroporation: Hisahiro MATSUBARA,Masatoshi TAGAWA, Kentaro TASAKI, Tomoko MAEDA,Yoshio KOIDE,Yutaka Funami,Toru Ofuchi,Hideaki SHIMADA,Takehide ASANO, Takenori Ochiai,Shigeru SAKIYAMA (Dept. of Surg.II,Chiba Univ.Sch.of Med., Chiba Cancer Ctr.Res.Inst.)

これまでレトロウイルスベクターを用いた野生型p53遺伝子導入による食道癌細胞の増殖抑制、抗癌剤・放射線の感受性の増強による有用性を報告してきた。今回、抗癌剤の感受性を増加させるin vivo電気穿孔法により抗癌剤を併用して、ウイルスベクターを用いずプラスミドによりp53遺伝子導入を行い、治療効果について検討を加える。
(方法)ヒト食道癌細胞T.Tnをヌードマウス背部皮下に接種し腫瘍を形成させた後、食道癌に感受性のあるブレオマイシン、ネダプラチンをそれぞれ腹腔内に投与した。その30分後に電気穿孔遺伝子導入装置により腫瘍に通電し、腫瘍体積を経時的に測定した。さらに野生型p53cDNAをプラスミドに組み込み腫瘍局所に注入し、電気穿孔を行い遺伝子導入した併用効果についても検討する。
(結果)ブレオマイシン単独では腫瘍縮小効果を認めない量において電気穿孔を併用した群では著明な腫瘍縮小効果を認めた。電気穿孔のみの群では腫瘍の増殖に影響を与えなかった。また、ネダプラチンでも同様の縮小効果を認めた。現在、 p53遺伝子併用群について解析中である。