ABSTRACT 2572(P15-8)
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HSVtk導入異種腫瘍細胞とガンシクロビルによる実験的脳腫瘍の治療:難波宏樹1、田川雅敏2、岩立康男5、宮川正1、竹永啓三3、崎山樹44千葉がんセ・1脳外、2病理、3化療、5千葉大・医・脳外)

Treatment of exparimental brain tumor by HSVtk-transduced allogenic tumor cells and ganciclovir in rats: Hiroki NAMBA1, Masatoshi TAGAWA2, Yasuo IWADATE5, Tadashi MIYA-GAWA1, Keizo TAKENAGA3, Shigeru SAKIYAMA4 (Div. of 1Neurol. Surg., 2Pathol. & 3Chemother., 4Chiba Cancer Center, 5Dept. of Neurosurg., Chiba Univ. Sch. of Med.)

[目的]既存の腫瘍内にHSVtk遺伝子導入腫瘍細胞を移植後GCVを投与し、bystander effectにより腫瘍を縮小させることが可能である。しかしながら実際の臨床応用においてはautogenic HSVtk導入細胞を用いることは困難である。そこでallogenic細胞による治療を想定し以下のような実験を行った。[方法] Fisher rat脳内にsyngeneicの9L-glioma cells (9Lwt) 100000個を移植し、その翌日、同部位にHSVtk導入allogenic C6-glioma cells (C6tk)を100000個(第1群)または300000個(第2群)を移植し、7日後より14日間GCV (75mg/kg)または生理的食塩水の腹腔内投与を行い生存期間を比較した。またMRIにて経時的に腫瘍の大きさを測定した。[結果]生食投与群ではC6tk非移植群とほぼ同じく腫瘍移植3週間で全例腫瘍死した。C6tk細胞を移植し、GCVを投与した群では平均生存期間は両群合わせて28±3日であり、生食群に比し有意に延長した。腫瘍移植14日目の腫瘍の大きさは生食群116±11 mm3に対しGCV群では28±6 mm3と有意に小さかった。[結論]C6tk細胞とGCVにより脳内に移植された9Lwt細胞に対し有意な抗腫瘍効果が認められたが、その効果は9Ltk細胞とGCVによる効果に比べ小さく、さらなる工夫が必要である。