ABSTRACT 2574(P15-8)
Interferon-β遺伝子導入glioma cellの形態学的変化 :ビデオ強化型微分干渉顕微鏡 による解析 : 中原紀元1、水野正明1、夏目敦至1、立家康至1、吉田 純1、寺川 進2 ( 1名古屋大・脳外、2浜松医大・光量子医学)
Analysis of morphological change on glioma cells induced by interferon-βgene transfection :
video enhanced microscopic visualization in living cells: Norimoto NAKAHARA1, Masaaki MIZUNO1 Atsushi NATSUME1, Yasushi RYUKE1, Jun YOSHIDA1, Susumu TERAKAWA2
(1Dept. of Neurosurg., Nagoya Univ., 2Dept. of Photo Med., Hamamatsu Med. Univ.)
(目的)我々は治療困難な悪性神経膠腫に対しcationic liposome 包埋interferon-β遺伝子による遺伝子治療を進めているが、その作用機序については未解決な点も多い。当教室に導入されたビデオ強化型微分干渉顕微鏡により生きたままのglioma cellを観察、更にinterferon-β遺伝子導入細胞に生じる形態変化を捉えることができたので報告する。
(方法)glass bottom dishにglioma cell lineのSK-MG-1とU251-SPを2日間培養した後、cationic liposomeおよびアデノ随伴ウイルスをベクターとしてinterferon-β遺伝子を投与した。観察には倒立型顕微鏡 Axiovert 135にCCDビデオカメラを装着、ビデオ信号はimage processor ARGUS50を介して画像処理した。この方法により生きたままのglioma cellをreal timeで拡大観察することが可能となった。
(結果・結論)遺伝子導入12時間頃よりアメーバ様の細胞質の突出 が出現した。この突出を繰り返しつつ細胞質は徐々に収縮し、最終的には核も凝集した形となりdish 底部より遊離した。この観察の結果、interferon-β遺伝子は形態的にはapoptosis様の変化を引き起こし殺細胞的に作用することが示唆された。