ABSTRACT 2579(P16-1)
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摂取カロリーからみた進行膵管癌例の遠隔成績:奥坂拓志、岡田周市、上野秀樹、池田公史、吉森正喜(国立がんセンター中央病院内科)

Prognosis of advanced pancreatic cancer patients with reference to caloric intake:Takuji OKUSAKA, Shuichi OKADA, Hideki UENO, Masafumi IKEDA, Masayoshi YOSHIMORI (Dept. of Int. Med., Natl. Cancer Ctr. Hosp.)

【目的】進行膵管癌例の遠隔成績に対する摂取カロリーの影響を明らかにする。
【対象・方法】対象は進行膵管癌50例である。血清アルブミン値が3.0mg/dl未満となった時点を始点として、1)同時点での総摂取(静脈内投与+摂食) カロリー(Cal/予測基礎代謝量)の中央値により患者を高カロリー群と低カロリー群に分類し、両群の遠隔成績を比較検討した。2)同時点での摂食状況により、無摂食群(0 Cal/予測基礎代謝量/日)(14例)、低摂食群(0.01〜0.60)(24例)、高摂食群(0.61〜1.20)(12例)の3群に分け、静脈内投与カロリーの中央値により各群を高カロリー群と低カロリー群に分類し、両群の遠隔成績を比較検討した。
【成績】1)総摂取(静脈内投与+摂食)カロリーと遠隔成績:高カロリー群(50%生存期間:1.7カ月)は低カロリー群 (1.1カ月)に比べ有意に良好な遠隔成績を示した(p=0.02)。
2)静脈内投与カロリーと遠隔成績:無摂食群(p=0.09)、低摂食群(p=0.27)、高摂食群(p=0.34)のいずれの群においても、経静脈投与カロリーの高い群(高カロリー群)は低い群(低カロリー群)に比較し遠隔成績が良好な傾向を認めた。
【結論】進行膵管癌例において摂取カロリーと遠隔成績の間に密接な関連があることが示唆された。