ABSTRACT 2580(P16-1)
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大学病院における癌疼痛治療の推移:平賀 一陽1),武田文和2)1)国立がんセンター中央病院手術部,2)埼玉県立がんセンタ−)

Annual Change of Precalance and treatment of cacer pain in university Hospitals: Kazuaki,HIRAGA1),Fumikazu,TAKEDA2)(1)Devision of surgical operation Nalt.Cancer Ctr.Hosp.,2)Satama Cancer Ctr.)

【目的】日本における医療用モルヒネの消費量が急激に増加しているなかで,がん患者の痛み治療の現状と改善すべき問題点を明らかにすることを目的に,医育機関である大学病院の看護婦・医師にアンケ−ト調査を行った.
【結果】1.看護婦のアンケ−ト調査から(1987,1990,1993年,1996年の調査).(1)完全除痛率の推移:保存的治療中の患者の完全除痛率は,1987年が40%から1993年が46.5%,1996年は55%と上昇してた.末期状態の患者でも,1987年と1990年は同じ程度の完全除痛率であったが,1996年は52.8%とと改善されてきた.(2)汎用鎮痛法の推移と鎮痛効果:保存的治療中と末期状態の患者での鎮痛法の使用頻度からは,モルヒネ経口投与の除痛率の向上(それぞれ1990年40.9%,44.0%,1993年52.6%,42.0%,1996年53.0%,49.6%)とモルヒネの注射の使用頻度の上昇(1987年2%,14.2%,1990年4.5%,14.4%,1993年5.7%,22.5%,1996年17.9%,35.6%)が見られた.2.がん治療医のアンケ−トから(1990,1993年,1996年の調査)(1)経口モルヒネの投与開始時期:モルヒネが必要なら病期にかかわらず積極的に投与すると答えた医師たちは1990年の36.8%から1993年は55.6%,1996年は69.1%と上昇していた.(2)モルヒネ投与時の薬品名の説明:原則として患者にモルヒネであることを話している医師は,1990年の4.8%から1993年は11.6%,1996年28.5%と倍増していた.(3)モルヒネ経口投与の中止理由:経口モルヒネを中止する原因のうち,副作用のための項が依然として50%を超えていた.3.モルヒネ投与量の最高:今までに経験したモルヒネ内服量は前回の調査より多くなっていた(60mg未満が1990年56.2%,1993年37.6,1996年25.9%).