ABSTRACT 2582(P16-1)
終末期癌患者の予後予測因子:角田純一1 (聖隷三方原病院ホスピス1 )
Prediction of survival of terminal ill cancer patients; A prospective study.Jun-ichi TSUNODA,Hosupice,Seirei Mikatabara Hospital
<目的>終末期癌患者のQOLを高めるには、的確な生命予後の予測が求められる。信頼しうる予後予測のためホスピス入院患者を対象として予後予測因子につきprospective に検討した。<方法>平成8年9月から平成9年8月の終末期癌患者について、入院時から3週間毎に、生命予後に影響を与えると思われる因子について調査した。生存曲線は Kaplan-Meier法により求め、有意差検定では、Logrank test を用いた。多変量解析では、Cox回帰分析を用いた。
<結果>150名がのべ355回の評価を受けた。単変量解析では、低いADL水準、安静時呼吸困難、死前喘鳴、食欲不振、嚥下困難、口渇、全身倦怠感、浮腫、口内炎、発熱、せん妄を認めた症例の予後は、有意に不良であった。多変量解析では、低いADL、安静時呼吸困難、食欲不振、浮腫、せん妄が、独立した予後予測因子となった。<考察>予後予測因子として、低いPPS、安静時呼吸困難、食欲不振、浮腫、せん妄が同定された。今後これらの因子の組み合わせ、スコア化により簡便な指標を得る事ができるか、さらなる研究が必要である。