ABSTRACT 2586(P16-1)
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マウス結腸癌Colon 26により誘導される癌悪液質の病態:大橋富士子,瀬川耕太郎,片岡達治(癌研・癌化療セ・基礎)

Physiological Condition of Cachexia in Colon 26 Adenocarcinoma-bearing Mice : Fujiko OHHASHI, Kotaro SEGAWA, Tateshi KATAOKA (Div. Exp. Chemother., Cancer Chemotherapy Center, Jpn. Fdn. Cancer Res.)

【目的】 進行期の癌患者においてしばしば認められる悪液質は患者のQOLを低下させ、薬物療法効果の減弱をもたらす。悪液質を改善し、QOLを向上させるような治療法が望まれるが、その為には悪液質の病態を把握することが必要である。マウス結腸癌Colon 26 adenocarcinomaからは悪液質誘導株clone 20、非誘導株clone 5とが得られている(日本ロシュ)。これら2株の担癌マウスについて、癌の進行に伴う臓器変化、生化学検査値およびそれらの相互の関係を比較検討した。【方法】BALB/c雌マウスにColon 26細胞50万個/50μlを右腹側に皮内移植する。担癌7日目、14日目(悪液質発現直前)、死亡直前に心臓採血し、同時に臓器の観察を行った。生化学検査は、総タンパク(A/G)、尿素窒素、総コレステロール、中性脂肪、血糖およびインスリン、IL-6について測定した。【結果】測定項目の中でclone 20担癌とclone 5担癌とで相違がみられたのは尿素窒素、総コレステロール、中性脂肪であった。Clone 20担癌では早期から腎、脾重量が増加しており、腎臓重量と中性脂肪の間には負の相関が、また中性脂肪と血糖値の間には正の相関が認められた。